資産運用として 株式投資を検討している方も多いのではないでしょうか?
しかし、日中会社で仕事をしているために、取引可能な時間が限られることから 株の取引をしにくい場合があると思います。
そのような方におすすめなのがPTS取引です。
PTS取引では、取引所の営業時間外でも取引を行える上、より有利な価格で約定する可能性があることが大きな特徴です。
この記事では、PTSとは何なのかといった基本的な知識、PTS取引を行える証券会社について詳しくご紹介します。夜間取引を行いたい方、証券会社選びで悩んでいる方はぜひ ご参考ください!
PTSとは?
PTSは『株 の夜間取引ができるサービス』と理解されていますが, 正確にはPTSとは「Proprietary Trading System」の略称で『 取引所を通さない 株の取引システム(私設取引システム) 』のことです。
とは言え 取引所が取引停止している夜間でも 株の取引が可能であるため, 夜間取引を行うための仕組みという理解で問題ないですが, 使い方によっては取引を有利に行うことができます。
このページでPTSについて理解を深めましょう!
PTS取引と取引所取引の違い
通常の 株取引(取引所取引)では, 証券会社が売買の仲介を行い「取引所の取引システム」を介して売買します。PTS取引では、それが「PTS (私設取引所) の取引システム」に変わっただけです。
個人投資家は証券会社に対して発注を行うため, その後の仕組みが変わっても特段違いは感じられません。 また取引所取引でもPTS取引でも「 証券口座は同じ口座を利用する 」ため, 取引所取引とあまり違いを感じることなくPTS取引が可能です。
PTSが存在するメリットの一つとして、取引所やPTSなど複数の取引所から、最良の価格を提供している市場を自動的に選択し、売買を行うこと(SOR注文)が挙げられます!
SOR注文とは、スマート・オーダー・ルーティング(Smart-Order Routing)注文の略で、国内取引所やPTS(私設取引所)など複数の市場から、最良の価格を提供している市場を自動的に選択し、売買を執行する形の注文のことです。
市場での気配値を監視していて、最良の気配値を示す市場に注文が出されます。通常の注文よりも有利な条件で売買できる可能性が高く、投資家にとって執行コストを減らせるのがメリットです。
さらに、もう一つの大きな違いが 株の取引時間の違いです。
・ 前場 9:00 ~ 11:30
・ 後場 12:30 ~ 15:00
⇒ 取引時間の合計 : 5時間
■ 「 PTS 」の取引時間 ※SBI証券の例
・ デイタイム 8:20 ~ 16:00
・ ナイトタイム 16:30 ~ 23:59
⇒ 取引時間の合計 : 約15.1時間
会社員・サラリーマンにとっては 株の夜間取引ができると言うのは非常にありがたいサービスですが, 加えて9時前に取引が可能だと言うのもメリットでは無いでしょうか。
また お昼休み中(前場と後場の間)や引け後も16時まで 株式売買ができますので, 突然のニュースがきっかけとなった急騰・急落にも対応が可能です。
PTS取引のデメリット
PTS取引の最大のメリットとして 東証など取引所が開いていない朝や夜間でも取引ができるというのがわかりましたね。では、PTS取引にデメリットはあるのでしょうか?
PTS取引のデメリットとしては、主に下記の2つが考えられます。
取引できない・希望の価格で約定しない場合がある
こちらはPTS取引量によるデメリットになります。東証といった取引所に比べると、PTS(私設取引所)では取引量が劣ることが原因です。つまり、売り手・買い手が少なく 取引が成立しないという事がPTSでは起こりえます。
注文方法が限られている
PTS取引では、「指値」注文のみが可能です。成行注文はできません。また、有効条件は当日のみ となっている点も注意です。
PTS取引のできる証券会社
2022年6月時点では、
株 のPTS取引 および 夜間取引が可能なネット証券は SBI証券 / 楽天証券 / 松井証券 の3社です。
※マネックス証券・auカブコム証券ではPTS信用取引(SOR注文)のみが可能です。夜間での取引はできません。
PTS取引ができるネット証券を比較
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | auカブコム | マネックス |
---|---|---|---|---|---|
取引時間 | 現物:8:20~16:00, 16:30~23:59 信用:9:00~11:30, 12:30~15:00 |
現物:8:20~16:00, 17:00~23:59 信用:9:00~11:30, 12:30~15:00 |
現物:8:20~15:30, 17:00~23:59 信用:9:00~11:30, 12:30~15:00 |
現物・信用: 9:00~11:30, 12:30~15:00 夜間取引なし、SOR注文のみ |
現物・信用: 9:00~11:30, 12:30~15:00 夜間取引なし、SOR注文のみ |
手数料 | 東証取引より約5%安い。 夜間取引は取引手数料無料。 |
東証取引と同じ。 追加手数料なし。 |
東証取引と同じ。 追加手数料なし。 |
東証取引と同じ。 追加手数料なし。 |
東証取引と同じ。 追加手数料なし。 |
NISA対応 | 〇 | ○ | 〇 | - | - |
利用できるPTS | JNX | JNX, Chi-X | JNX | JNX, Chi-X | JNX |
※調査方法:各証券会社 公式サイトから PTS取引・ 夜間取引に関するデータを取得
SBI証券 / 楽天証券 / 松井証券の3社とも共通して「ジャパンネクストPTS(JNX)」(取引時間8:20~16:00/17:00~23:59)が利用でき、楽天証券のみ「チャイエックスPTS(Chi-X)」でも取引が可能です。
PTS取引の手数料は各証券会社により異なっていますが、どの通常取引より高くなるという事はいずれの証券会社ともありませんでした。
むしろSBI証券では、夜間取引にあたるナイトタイムセッション(16:30~23:59)では一律0円、デイタイムセッションでも取引所取引より安い手数料となっています。
楽天証券では取引所取引と同じく超割コースでの手数料、松井証券も同じく ボックスレート(1日の約定代金額に応じた手数料)が適用されます。
PTS取引でおすすめのネット証券は?
手数料でみると、PTS取引を使い 夜間取引をメインに行いたいという方には、ナイトセッション手数料が0円のSBI証券がおすすめです!
初心者でもすぐわかる!「PTS取引」に関するQ&A
PTS取引とはどういった取引ですか?
PTS取引とは、正確に言えば取引所を通さずに 株を売買する取引システムのことです。
取引所(東証など)を通さずPTS(運営会社)のシステムを利用して取引を行うことで、取引所の時間外である朝・夜間に取引ができるようになっています。
PTS取引のメリット・デメリットを教えてください。
PTS取引には以下のようなメリット・デメリットがあると思います。
・夜間取引が可能=急なニュースや決算情報でも対応できる
※東証での取引終了後でも取引ができ、夜間だけでなく、朝も寄付き前など 通常取引より一足早く取引ができます。
・通常取引より有利な価格で取引成立が可能な場合がある
※PTS取引の場合、取引所取引よりも呼値の単位が小さいため、取引所とは異なる価格で約定する可能性あり。
・取引量が少ない=約定できない場合がある。
・指値のみの注文
※「成行」・「執行条件付」・「逆指値」などの注文ができない
PTS取引ができる証券会社はどこですか?
PTSの取引時間について教えてください
PTS取引の時間は各運営会社によって違います。
【ジャパンネクストPTS(SBI証券/楽天証券/松井証券)の場合】
・ デイタイム 8:20 ~ 16:00
・ ナイトタイム 17:00(SBI証券のみ16:30) ~ 23:59
【チャイエックスPTS(楽天証券のみ)の場合】
・ デイタイム 8:20 ~ 16:00
楽天証券では、ジャパンネクストPTS ・ チャイエックスPTS のどちらの取引も可能です。
PTS取引の手数料を教えてください
PTS取引のできるおすすめの証券会社はどこですか?
PTS取引を行う方で オススメの証券会社はSBI証券になります。
SBI証券のPTS取引では ナイトセッション(16:30~23:59)の取引手数料が0円(デイタイムでも通常取引よりも5%安い手数料)で 株取引が可能です。おすすめ口座ランキングで1位に選ばれている通り その他の取扱商品やサービス内容の豊富さなど 総合力も高く デメリットも少ないので、SBI証券は開けておいて損のないオススメの口座です!
参考記事:ネット証券おすすめランキング!株初心者におすすめの証券会社を徹底比較!