
- リピート系注文は、注文の設定をあらかじめすることで自動で取引を行う手法のこと
- リピート系注文はレンジ相場(一定値幅で上がったり下がったりを繰り返す相場)に強く、トレンド相場に弱いことが多い。
- 手数料や急な相場変動への対処法は事前に考える必要がある(複数の自動売買ロジックを動かすなど)
- 裁量トレードに比べて手間がかからず、忙しい人でも機会損失しづらい
レートをチェックし、チャートでテクニカルを見て、ニュースでファンダメンタルを知る「FXの基本的な取引手法」は時間に拘束されるデメリットが常につきまといます。
取引に没頭するあまり日々の生活を疎かにしてしまっては元も子もありません。そんな問題を解決する取引手法が最近人気のFXの特殊注文『リピート系FX』です。
どう言った取引手法なのか、具体的な利用シーンなども含めて解説します!
リピート系FXとは?
リピート系FXとは、「買いor売り」や「決済(利食・損切)の値幅」などをあらかじめ設定して、その条件で売買を繰り返す特殊注文のことで、一定の売買ルールに基づき自動売買する意味では広義のシステムトレード(シストレ)に当てはまります。
スキャルピングやデイトレードなどの裁量トレードと比べて、一度設定しておくだけで放置できるため、時間の効率化を図ることができます。また自動で売買するため、心理的な負担も軽減できると言うメリットもあります。
リピート系FX注文の種類
代表的なリピート系FX注文としては以下のサービスがあります。
リピート系FX注文は基本的にはレンジ相場(揉み合いトレンド)で力を発揮する取引手法になりますが、上昇/下落トレンドにも対応したタイプもでています。
リピート系FXと裁量トレードとの違い
次にリピート系FX注文と裁量トレードとの違いについて表で見比べてみます。
項目 | リピート系FX | 裁量トレード ※通常のFX取引 |
---|---|---|
ファンダメンタルズの知識 | × 不要 |
◯ 必要 |
テクニカルの知識 | × 不要 |
◯ 必要 |
取引コスト | △ やや高い |
◯ 安い |
手軽さ (時間の拘束) |
◎ 基本放置でOK |
△ 投資スタイルによる |
急な相場変動に対する対応性 | × 悪い |
◯ 状況に応じて対応できる |
上記のようにリピート系FXは為替相場に対する知識が少なくても本格的な自動売買を始めることができる利点がある一方、相場の急変に対する対応には不向きな点があります。
リピート系FXの具体的な使い方
ここからは具体的な使い方について解説します。まずリピート系FXが向く相場と向かない相場をそれぞれ説明します。
リピート系FX注文が向く相場の例

リピート系FX注文はある一定のレンジ内で価格が上下する揉み合い状態、つまりレンジ相場で最も効果を発揮します。
上図は南アフリカランド円のあるときの15分足チャートですが、もし「6.98円で買い、7.01円で売り」のリピート系FX注文を設定しておくとこの時間内に計5回利益を得ることができます。※上図の矢印箇所
FXの世界では平穏時や指標発表前などレートが上にも下にも動けないレンジ相場が全体の7割とも言われています。
そういった相場展開でスキャルピングなどの裁量トレードでは取引画面を睨みながらトレードする必要がありますが、リピート系FX注文を設定しておくことで、自動的に繰り返し利益を得ることが可能となるのです。
リピート系FX注文が向かない相場の例

リピート系FX注文が向かない状況は”一方的に”価格が上昇または下落する相場状態です。
上図の黄色枠はまさにその状態、こういった一方的な展開でポジションを持ったままにすると大きな損失を被る可能性がありますので、想定レンジを越えた時点で速やかに損切りしなくてはいけません。
参考:ポジションとは?
ちなみに同じ上昇相場でも価格が上下しながら徐々に切り上げていくような相場展開であれば、そのトレンドに合わせてレンジを自動変動してくれるようなリピート系FX注文もあります。
リピート系FX自動売買にオススメの通貨ペア
レンジ相場で利益を上げるリピート系FX自動売買では通貨ペアの選び方もポイントになってきます。
今回は以下3つの視点からリピート系FX自動売買にオススメの通貨ペアをご紹介したいと思います。いずれもメリットもデメリットもありますので合わせて解説します。
- 相関性の高さ
- ボラティリティ(値動き)の高さ
- スワップの高さ
安定性で選ぶなら相関関係が高い通貨ペア
リピート系自動売買で最も避けたいのはロスカットになること、取引回数が少なくても安定性を求めるのであれば「相関関係が高い通貨ペアの組み合わせ」を選ぶことをおすすめします。
相関性が高い通貨の例:AUD/NZD

クロス円の相関図(松井証券より引用)
上はクロス円の相関図で1に近ければ近いほど相関性が高い通貨ペアであるということになります。
その中で最も相関性が高いのが、同じオセアニア通貨の豪ドル/円(AUD/JPY)とNZドル/円(NZD/JPY)の組み合わせです。経済的にも歴史的にも繋がりが深い両国は通貨の相関性が高い結果にもなるのです。
上記のように考えると豪ドル、NZドルを組み合わせた豪ドル/NZドル(AUD/NZD)であれば比較的 安定してリピート系FX自動売買ができると想定されます。
- インヴァスト証券(トライオートFX)
- 外為オンライン(iサイクル2取引/サイクル2取引)
- FXブロードネット(トラッキングトレード)
特にインヴァスト証券のトライオートFXには「コアレンジャー_豪ドル/NZドル」と言う豪ドル/NZドルのリピート系自動売買ロジックが標準実装されているため、それを稼働させるだけで簡単に豪ドル/NZドルのリピート注文が可能になるためオススメです。
取引回数で選ぶならボラティリティが高い通貨ペア
先程の「安定性で選ぶ」とは真逆の考え方になりますが、取引回数が多い通貨ペアを選ぶなら「ボラティリティが高い通貨ペア」がオススメです。
基本的にボラティリティが高い通貨ペアはレートが上下に動きやすいため、初心者の裁量トレードには向きませんが、自動売買にとってはエントリーポイント(注文を入れるポイント)が増え、取引回数を増やすことができると言うメリットがあります。
ボラティリティが高い通貨ペアの例:GBP/JPY

JFXより引用
ボラティリティが高い通貨の代表は英国ポンドになります。
その中でも日本人にも馴染みのある英ポンド/円(GBP/JPY)がオススメです。ただボラティリティが高い点に注意が必要なことは裁量トレードと一緒です。余裕をもった資金管理などリスク回避は入念に行って下さい。
- インヴァスト証券(トライオートFX)
- 外為オンライン(iサイクル2取引/サイクル2取引)
- FXブロードネット(トラッキングトレード)
- マネースクエア(トラリピ)
ボラティリティの英ポンド/円の売買戦略を構築する上で外為オンライン(iサイクル2取引/サイクル2取引)の「マトリクス方式」や「ボラティリティ方式」などの高度な分析ツールが力を発揮します。
副収入で選ぶならスワップが高い通貨ペア
リピート系自動売買は為替差益を主目的として売買する方法ですが、スワップポイントでの副収入も見込むことは可能です。
※参考:スワップポイントとは?|スワップで稼ぐならオススメ通貨ペアはコレ
その際はやはりスワップポイントの高いFX会社を選ぶとお得です。
当サイトのスワップポイントランキングで1位のみんなのシストレ(みんなのFX)ではトルコリラ/円(TRY/JPY)のリピート注文が可能です。
為替差益と高金利通貨のスワップポイントを両取りできるのは魅力的ですね。
リピート系FX注文を比較
最後にリピート系FX注文を提供しているサービスについてFX会社ごとに比較をしてみたいと思います。
リピート系FX注文:比較一覧表(簡易版)
サービス/ 注文名称 |
FX会社名 | 手数料/スプレッド ※米ドル円, 1万通貨時 |
最低 取引単位 |
通貨ペア 取扱数 |
---|---|---|---|---|
トライオートFX | インヴァスト証券 | 230円 (手数料:200円/往復) (スプレッド:30円) |
1,000 通貨単位 |
17通貨ペア |
iサイクル2取引 サイクル2取引 |
外為オンライン | 300円 (手数料:200円/新規注文) (スプレッド:100円) |
1,000 通貨単位 |
26通貨ペア |
みんなのリピート注文 | みんなのFX | 変動性 (手数料:無料) (スプレッド:変動性) |
1,000 通貨単位 |
33通貨ペア |
トラッキングトレード | FXブロードネット | 420円 (手数料:400円/往復) (スプレッド:20円) |
1,000 通貨単位 |
24通貨ペア |
続いてFX会社別に詳細比較を行います。
トライオートFX (インヴァスト証券)

利用料 | 取引単位 | 通貨ペア数 |
---|---|---|
片道200円 | 1,000通貨 | 17通貨ペア |
米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 |
0.3銭 | 0.5銭 | 1.0銭 |
豪ドル/円 | NZドル/円 | 南アフリカランド/円 |
0.6銭 | 1.7銭 | 1.8銭 |
ユーロ/米ドル | トルコリラ/円 | メキシコペソ/円 |
0.3pips | 1.5銭 | - |
インヴァスト証券の「トライオートFX」はレンジ内の自動売買に特化したリピート系FX注文です。「新規注文・決済注文・カウンター注文・フォロー注文」を指定して新規注文と決済注文を繰り返す自動売買が基本となります。

インヴァスト証券公HPより引用
トライオートFXは自動売買注文を1本ずつ設定する「シングルカスタム」とレンジ内に複数仕掛ける「マルチカスタム」に大きく分かれていますので、用途に応じて使い分けることがポイントになります。
またトライオートFXと同時に口座開設が可能な「トライオートETF(株式指数でリピート系FXができる)」も非常に有益なシステムトレードですので合わせてご活用頂くことをオススメします。
>>インヴァスト証券(トライオートFX)の評判・口コミ&評価

サイクル2取引、サイクル2取引 (外為オンライン)

利用料 | 取引単位 | 通貨ペア数 |
---|---|---|
新規注文時200円 | 1,000通貨 | 26通貨ペア |
米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 |
1.0銭 | 2.0銭 | 3.0銭 |
豪ドル/円 | NZドル/円 | 南アフリカランド/円 |
3.0銭 | 6.0銭 | 15.0銭 |
ユーロ/米ドル | トルコリラ/円 | メキシコペソ/円 |
1.0pips | 6.0銭 | 6.0銭 |
情報力の高さに定評のある外為オンラインで取り扱っているリピート系FX注文が「サイクル2取引、iサイクル2取引」の2つ。

「サイクル2取引」はレンジ相場に対して力を発揮する注文で、設定した変動幅内で取引を繰り返す注文になります。

一方、「iサイクル2取引」は上昇または下降トレンド時に効果がでる注文で、トレンドを追いかけながら設定した変動幅内で取引を繰り返すことができる注文です。

外為オンラインのリピート系FX注文の特徴としては上図のような高度な情報ツールと連動させて注文ができる点です。
ランキング方式やマトリクス方式、ボラティリティ方式を駆使することで取引を優位に行うことができ、利益or損失見込みなどの計画も立てやすくなります。
みんなのリピート注文 (みんなのFX)

利用料 | 取引単位 | 通貨ペア数 |
---|---|---|
無料 | 1,000通貨 | 33通貨ペア |
米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 |
変動値 | ||
豪ドル/円 | NZドル/円 | 南アフリカランド/円 |
変動値 | ||
ユーロ/米ドル | トルコリラ/円 | メキシコペソ/円 |
変動値 |
みんなのシストレの「みんなのリピート注文」は現時点では、トルコリラ円、メキシコペソ円、南アランド円などの「高金利通貨ペア」から米ドル円、ユーロ円、豪ドルNZドルなどの「メジャー通貨」まで、「計13通貨」のリピート注文に対応しています。

リピート注文の最大のメリットはリピートによる為替差益と高金利通貨であるトルコリラ/円やメキシコペソ/円のスワップ益の両取りを狙える点です。
つまりレンジ相場内をレートが「動いても動かなくても利益が上がる取引手法」になっています。また、手数料も無料でスプレッドも優秀です。
当サイトのスワップポイントランキングでも1位のみんなのFXと同じスワップポイントを貰えますので、リピート注文を有効活用することでかなり有利な取引ができると思います。
今後、他の通貨ペアの取扱も増えてくれると言うことないですね!
FXのリピート系FX注文に関するQ&A(よくある質問)
リピート系FX注文は初心者でもできますか?
もちろん出来ます。むしろリピート系FX注文は初心者向けに設計された節があるぐらいです。
元来、システムトレードはテクニカルを熟知している上級者向けの仕組みが多かったのですが、ミラートレーダーなどの登場以降、徐々に初心者にも優しい自動売買システムが構築されていきました。その後、「シンプルでわかりやすく、設定も簡単なシステムトレードツール」としてリピート系FX注文が注目されていったのです。
※参考:システムトレード自動売買とは?
リピート系注文は元来FXにある短期間での利益確保と言うトレーダー向きの商品というより、投信積立のような投資家向きのイメージですので初心者でも入りやすいと思います。
⇒⇒自動売買おすすめランキングはこちら
リピート系FXのメリット・デメリットを教えて下さい
リピート系FXには以下のメリット・デメリットがあると思います。
リピート系FXのメリット
- シンプルでわかりやすい
- 為替市場の知識、ファンダメンタルズがいらない
- 時間が拘束されない(勝手に取引してくれる)
- 精神的な負担が少ない
リピート系FXのデメリット
- 手数料・スプレッドが裁量トレードより高い
- 必要資金(証拠金)が裁量トレードより多い
- 急な相場変動への対処が難しい
裁量トレードと比べてデメリットもあることは事実ですが、それを覆すぐらいのメリットがリピート系FXにはあると思います。
リピート系FXでオススメのサービスはどこですか?

- ■全般
- ※注_z1: 原則固定 ※例外あり
- ※注_z2: 原則固定の適用対象外
- ■GMOクリック証券
- ■外為どっとコム
- ※注_b1: キャンペーンスプレッド含む。詳細は公式HPをご確認ください。
- ※注_b2: 【口座開設キャッシュバックキャンペーンの適用期間】口座開設申込月から翌月末まで
- ※注_b3: 【スプレッドの原則固定など】ロシアルーブル円のスプレッドは原則固定の対象外になっております。また、ロシアルーブルの取引単位のみ10,000通貨に設定されています。
- ※注_b4: 【集計期間】2021/5/10~2022/7/18 【収支プラス率】全通貨ペア:57.96%、米ドル円:82.6 %、中国人民元円:79.9%、メキシコペソ円:76.1% 【累計損益率】メキシコペソ円:20.6%、中国人民元円:17.6%、米ドル円:9.7% 【損益計算式】累計損益=スポット評価損益+スポット確定損益+スワップ評価損益+スワップ確定損益+スワップ振替金額、累計損益率=累計損益/累計購入円価、収支プラス率=累計損益が0より多い方の割合
- ※注_b5: キャンペーンスプレッド。詳細は公式HPをご確認ください。
- ■LINE FX(LINE証券)
- ※注_c1: 月次でFX口座数を提示しているGMOクリック証券、GMO外貨、ヒロセ通商、外為どっとコム、トレイダーズ証券との比較(2020年3月~9月/LINE証券調べ)
- ■マネーパートナーズFX
- ※注_d1: 1回あたり5万通貨までの取引であれば、24時間米ドル/円を0.0銭のスプレッドで取引できます(5月29日~7月31日)。また、豪ドル/円、ユーロ/円も1万通貨まで、ポンド/円は5,000通貨まで、メキシコペソ/円は3万通貨までスプレッド0.0銭で取引できます。
- ■松井証券 MATSUI FX
- ※注_e1:取扱通貨ペア(スイス/円、トルコリラ/円、米ドル/スイス、ポンド/スイス、ポンド/豪ドルを除く)について、FXサービスの取扱い業者11社(SBI証券、auカブコム証券、外為どっとコム、GMOクリック証券、DMM.com証券、トレイダーズ証券、ヒロセ通商、マネックス証券、マネーパートナーズ、楽天証券、GMO外貨)の中央値と比較。2021年12月21日時点、松井証券調べ。広告掲載日:2022年1月4日時点、上記スプレッドは、市場の急変時(震災などの天変地異、その他外部要因)や、市場の流動性が低下している状況(週初や週末、年末年始、クリスマス時期など)、重要指標発表時間帯などにより、やむを得ず提示以外のスプレッドになることもあります。
- ■ヒロセ通商(LION FX)
- ※注_f1: ※注_f1: 米ドル/円、ポンド/円は原則固定でAM10:00~翌AM4:00のスプレッドとなっております。また、ヒロセ通商のユーロ/円は原則固定の対象外となっております。
- ■SBI FXトレード
- ※注_g1:1~100万通貨注文までの基準値