コムストックローン(証券担保ローン)とは|不意の資金ニーズに保有株を賢く活用!

「絶好の買い場」とは、思いがけないタイミングで訪れるものです。しかも、そのような場面に限って、すでにフルポジションに達していて資金が足りない……。まさに、株式投資における「ある、ある話」の典型例ですが、実はこうした際に大いに役に立つ制度があります。今、密かに目敏い投資家の間で注目度が高まっている「コムストックローン(証券担保ローン)」です。
日本証券金融株式会社(日証金)が提供している証券担保ローンの別称で、自分が保有している株式などの有価証券を担保に、低利でスピーディーに資金を調達できます。

担保に充てた保有株の名義に変更は生じないため、配当や株主優待、株主総会への参加(議決権行使)といった株主の権利はしっかりと確保したまま、必要とする資金を手間なく用意できるので、すでに多くの個人投資家が様々なシーンで活用しています。

保有株がコムストックローンで大いに役立つ! シーン別活用法4選

1. 手元に追加の資金がなくても大丈夫! 暴落後の買いのチャンスを逃さない

相場の急落はショッキングな出来事ですが、過去の歴史を振り返る限り、やがては底打ちして反発に転じるというパターンを繰り返してきました。その意味では、安く仕込めるチャンスとなる急落局面がいつ来ても対応できるように、余力資金を持つことが利益獲得にもつながります。

ところが、個人投資家の間で見られがちなのは、すでに急落前の時点でほぼ目一杯のポジションを保有していて、追加投資のための手元資金が不足しているというパターンです。せっかくのチャンスが目の前に訪れていながら、ただ指をくわえて傍観するしか術がなかったわけですが、そのような場面こそ、コムストックローンが役に立ちます。

実は、コムストックローンの活用法で最も多いのがこうした株価の急落時における資金調達です。保有株を担保にして直ちに資金を工面できるので、チャンスを逃さず追加投資を仕掛けることが可能です。

具体例でシミュレーションしてみましょう。たとえば、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し始めた2020年2月後半から世界的に株価が急落し始め、3月19日に日経平均株価は1万6,552円の安値をつけました。

このタイミングで保有株を担保に100万円を調達し、日経平均株価に連動するETF(指数連動型上場投資信託)を購入したと仮定しましょう。4月7日の緊急事態宣言発令に先駆けて反発に転じていた日経平均株価は続伸し、8月14日には2万3,289円まで上昇して年初来高値にあと一歩のところまで迫りました。

約40%の上昇を遂げたわけであり、ここでEFTを売れば約40万円の利益が得られた計算になります。これに対し、100万円の調達コスト(借入利息)は約1万7,400円です(借入期間:5カ月、借入利率4.175%として試算[100万円×5÷12×4.175%])。

当期間中には3月決算企業の権利確定日も訪れていますが、先述したように担保に充てた保有株の名義は変更されていませんから、配当や株主優待も着実に受け取ることが可能です。そして、日経平均株価の反発局面では多くの銘柄が上昇傾向を示したので、保有株の株価が回復した可能性も十分に考えられそうです。

わかりやすい例として日経平均株価の例を挙げましたが、個別銘柄の急落・反発を見越して追加投資を行う際にも十分に活用が可能です。下値が限定的で株価の動きも比較的穏やかだとされる大型株などを担保に充てつつ、コムストックローンによって調達した資金を急激なリバウンドが期待できそうな銘柄に投じるというのも一考でしょう。

2. 人気の「優待・高配当株」の権利落ちダメージを軽減できる!

最近は、先ほども触れた「配当や株主優待」にフォーカスした投資が人気を博しています。配当利回りが高いことや、魅力的な株主優待を実施していることを、銘柄選びの決め手にしている個人投資家が増えているのです。

もっとも、こうした優待や配当利回りの良い銘柄の難点は、権利確定まで保有すると権利落ち後の株価下落に巻き込まれてしまうこと。せっかく配当や優待を獲得しても、株価面に関しては評価損が発生しがちです。

しかし、そういった場面でもコムストックローンを活用する手が考えられます。保有中の配当株・優待株を担保に調達した資金で同じ銘柄を買い増しすれば、平均の取得単価はその分だけ低くなります。

例)4月に優待を実施している テンボスホールディングス(2751)の例

  • 権利付き最終日 2019年4月23日(火)
  • 権利落ち日 2019年4月24日 (水)

いわゆる"ナンピン買い"は、あまり用いないほうが無難な手法だと言われますが、最初からその戦略を立てて計画的に実行する場合は話が別です。こうして取得単価を下げておけば、含み損の解消が早まることが期待できそうです。

3. 手元の資金事情を気にせず、IPOにもどんどん応募できる!

公募価格で購入できれば、それを大きく上回る初値をつけるケースが多いことから、IPO(新規公開株)が個人投資家の間で大人気です。もちろん、期待度の高い銘柄ほど抽選の倍率は高くなりますが、「当選すればラッキー」という感覚でとりあえず応募してみるのも一考でしょう。

ただ、幸運にも当選を果たした場合には、購入資金を用意しなければなりません。また、証券会社によっては応募時に余力が必要な場合もあります。手元にその余裕がなくて、購入や応募を断念している人も少なくないはずです。

そのようなケースでも、コムストックローンを利用すれば速やかな資金の調達が可能です。せっかくの幸運を逃すことなく、IPO銘柄を手に入れるチャンスを手中に収められます。

4. 投資以外の急な出費にも対応! 保有株を売らなくてすむ!

ここまでは、コムストックローンによって投資資金を調達するというパターンについて紹介してきました。「資金を借りて取引を行う」と言えば、信用取引を連想する人も多いかと思われます。

しかしながら、信用取引で借りた資金は投資(信用買い)以外の用途に充てられないのに対し、コムストックローンはそのような制限がありません。冠婚葬祭費をはじめとする不意の出費、子どもの入学金や結婚費用など、あらゆる資金ニーズに対応できますし、必要となった時点で即座に工面できます

しかも、保有株を泣く泣く手放す必要はありませんし、繰り返し述べてきたように株主としての権利も確保できます。

コムストックローン概要

対象者 日本国内の証券会社に証券取引口座を開設している、申込時において満20歳以上75歳未満の日本国内在住の個人
資金使途 自由(※活用方法へ)
融資額範囲 30万円~1億円
融資限度額 担保有価証券時価額の60% (一銘柄の時価額の割合が時価額合計の70%以上を占める場合は50%)
契約(融資)期間 契約から1年間(更新可能、ただし審査により更新不可の場合あり)
融資利率 年率3.175%~4.175% (2020年10月1日現在)
利息支払い方法 毎月15日に届出銀行口座から口座振替
担保範囲 上場株式/上場優先出資証券/ETN/ETF/投資証券(REIT)
返済方法 銀行振込での返済/預り金からの返済/売却代金からの返済

ご利用証券会社に合わせて選べるラインナップ

米欧では、効率的な運用のためにローンを積極活用するのが常識!

ここまで読んで、「結局のところ、コムストックローンは借金の一種じゃないの?」と思った人もいるでしょう。確かに日本では、ローン(融資)をマイナスのイメージでとらえる傾向があるかもしれません。

しかし、金融の最先端をゆく「米国」をはじめとしたグローバル金融の潮流を踏まえると、ローンは活用の仕方次第で、多くの利点が得られます。

たとえば、かつて一世を風靡した「金持ち父さん 貧乏父さん」シリーズでも、その著者はローンの活用が資産を増やす秘訣だといった趣旨の話を力説していました。自分の元手は限られていても、ローンによって多額の資金を調達できればより大きな投資が可能で、当然ながら期待できる利益も大きくなってくるわけです。

いわゆるレバレッジを効かせた投資であり、信用取引も魅力の一つはその点にあります。また、J-REIT(不動産投資信託)も融資を活用して有望物件を取得し、分配金の維持・拡大を図っています。

ローンの活用を前向きに検討することによって、これまで見逃していたチャンスを自分のものにできる可能性が出てくるわけです。これからの資産運用は、ローンのことをマイナス思考ではなくプラス思考で捉えることが求められていると言えるかもしれません。

なお、コムストックローンの貸し手である日証金は信用情報機関に加入していないため、コムストックローンを利用しても、その情報が他の金融機関などに伝わることがなく、その点でも安心です。

コムストックローンの注意点

このようにメリットが多い一方で、コムストックローンには注意すべきポイントがあることも確かです。それは、担保に充てた銘柄の株価が大幅に下落した場合のことです。

担保とする銘柄の時価に応じた金額の融資を受けているので、株価の下落に伴って担保価値が低下すれば、融資残高に対して担保不足と判定される(担保評価額の70%以上)ケースが出てきます。その場合、追加で担保を差し入れるか、融資残高の一部を返済するなど担保不足の状況を改善することが必要です。

それらを怠り、改善しなかった場合には、担保としている銘柄が強制売却される可能性があります。強制売却した代金を充てても必要額(融資元本と経過利息分等)に満たない場合には、不足分の支払い義務も生じます。

保有株の評価額が下がっても強制売却とならないように、余裕を持った金額で利用することを心がけましょう。また、資金調達後も保有株の値動きをモニタリングし、評価額の変化をきちんと確認しておくことが重要です。

なお、最短借入期間はないため、返済は随時可能となっているものの、日証金の銀行口座への振り込みにより返済する際の振込手数料は本人負担となります。

また、担保としている銘柄を売却してその代金を返済に充てることも可能です。その他、コムストックローンについて詳しく確認したいことがある場合はQ&A(コムストックローン Webサイト)をご覧ください。

まとめ

以上で見てきたように、証券担保ローンの「コムストックローン」は運用のチャンスを広げるとともに、日常生活でまとまった資金が必要となったシーンでも心強い存在となります。

マイホームという人生最大の買い物を行う際にも住宅ローンを利用するように、資産を築くためにコムストックローンを利用するのも有効な手段の一つと言えます。投資においても企業経営や不動産投資と同じように、効率的に成果を追求していくうえで「他人資本(借入で調達した資金)」を投資に用いるのは非常に有効な手段です。

この記事を目にしたのを機に、保有株をもうひと働きさせることを検討してみてはいかがでしょうか?

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