
仮想通貨の値動きを日々チェックするの面倒、細かい売買をせずにお金を稼ぐ方法は無いのか。含み損を抱えてしまった仮想通貨を保有しているけれど少しでも損失を減らせないかな。
そんなお悩みを抱えるあなたにぴったりなのが「仮想通貨レンディング」
仮想通貨レンディングは簡単に言うと銀行の定期預金のようなもので、保有している仮想通貨を貸し出すだけで、安定した利息収入を得ることが可能というサービスです。
長く持っている予定の仮想通貨を貸し出すだけで、少しでも収入になるのなら、試さないのはもったいないですよね。
今回はレンディングの仕組みや、どこの取引所で貸し出したら最も利益が出るのかについて徹底解説していきます!
仮想通貨のレンディングとは?仕組みはどうなってる?

仮想通貨のレンディングとは、仮想通貨を3ヶ月や1年など期間決めて取引所に貸し出し、取引所から金利収入を得る仕組みのこと。
仮想通貨のレンディングの仕組みは「お金を一定期間預けて利息収入を得る」銀行の定期預金と似通っています。
最近だと直接ユーザー間で資金の貸し借りを行うDeFiという仕組みもありますが、手軽さや信頼性の高さからGMOコインなど仮想通貨取引所に貸し出すことが一般的です。
レンディングはトレードによるリスクを負うことなく確実に資金を増やしていく事ができる手法として人気を集めています。
次の章では仮想通貨レンディングのメリットについて詳しく解説していきます。
仮想通貨レンディングのメリット

「堅実に資金を増やすことができる」として人気を集めている仮想通貨レンディング。
ここでは人気を集めている理由について解説していきます。レンディングのメリットとしては大きく4つのメリットが挙げられます。
- 仮想通貨を保有しているだけで増やすことができること
- 銀行預金より金利が高い
- 初心者でも簡単に始められる
- 忙しく、時間がなくてもできる
それではひとつずつチェックしていきましょう!
1 仮想通貨を保有しているだけで増やすことができる
仮想通貨で稼ぐには「安く買って高く売る」売買取引を行うのが一般的。
しかし、自分の投資した価格より下落、損切りすれば損失が出るうえ、結果的に保有している仮想通貨の量を減らしてしまいかねません。
その点仮想通貨レンディングでは手堅く仮想通貨の量を増やすことが可能。
仮想通貨が今後価格が上昇することに期待するのであれば堅実な資産の増やし方と言えますね!
2 銀行預金より金利が高い
仮想通貨レンディングが人気を集めるもう一つの理由はその金利の高さ。
貸し出し金利は取引所や貸出期間によっても変動しますが、おおよそ年率3%程度で推移しています。
2023年1月現在銀行の利子率は0.001%程度で推移しており、100万円を1年間預けていても受け取れる利息はわずか10円。
一方仮想通貨レンディングの場合、100万円分の仮想通貨を1年間3%の金利で預けると3万円分の仮想通貨をゲットすることが可能。
資産運用の必要性が話題となる中、こうして賢く運用できる点は見逃せないですよね!
仮想通貨レンディングの金利一覧【比較】
先ほど紹介したように仮想通貨レンディングでは銀行預金よりも高い金利で運用することができます。
実はどの仮想通貨を貸し出すのか、どこの仮想通貨取引所で貸し出すかなどによっても受け取れる金利は少しずつ違ってきます。
せっかくなら少しでも多くの金利収入をもらえる取引所で貸し出したいですよね。
細かな金利の違いに加え、レンディング対象となっている銘柄や期間などが異なります。
こちらに取引所ごとのレンディング金利や取り扱い銘柄数を簡単にまとめてみました。
取引所 | 取扱銘柄 | 金利 |
---|---|---|
GMOコイン | 26銘柄 | 3%程度(最大10%) |
Coincheck | 19銘柄 | 1%~5% |
bitbank | 10銘柄 | 最大3% |
BITPOINT | 14銘柄 | 募集毎に決定 |
GMOコインでは26銘柄もの仮想通貨をレンディングすることが可能です。最大15%(年率)の金利がつく銘柄もあり、人気を集めています。
後の章では取引所ごとに取り扱い銘柄などが実際どのような違いがあるのかを紹介していきます。後からじっくり自分の投資スタイルにあった取引所はどこなのか探してみましょう。
3 初心者でも簡単に始められる
そして、何よりのメリットは簡単、そして手軽に始めることが可能な点。
Uniswapなどブロックチェーン上の金融サービス「DeFi」では国内取引所でのレンディングと比較して高金利がつくこともあるようです。しかし、ウォレットの作成やブロックチェーン手数料、送金の手間などを考えると初心者にはハードルが高いです。また、忙しく資産運用に時間を割くことが難しい方にとってはあまりにも面倒臭い作業でしょう。
一方、国内取引所の提供する仮想通貨レンディングサービスでは、銘柄や金額を選択、貸し出しボタンを押せばすぐに始めることが可能。取引所のアプリを開くだけで運用状況のチェックまで手軽にできちゃうんです。
この簡単に始められ手間がかからない点は初心者にとっても運用をしている人にとってもの大きなメリットですね。
仮想通貨レンディングのデメリット

たくさんのメリットがあった仮想通貨レンディング。しかし、実際のところデメリットもあります。
もっとも「長期投資」前提でのレンディングであれば大きなデメリットやリスクはそれほど存在しません。
しかし、大切な資産を貸し出すわけですから、どのようなリスクが存在するのかレンディングの特性をしっかり理解して始めたいですよね。 ここでは仮想通貨レンディングのデメリットについて紹介していきます。
デメリットとしては大きく以下の3つが挙げられます。
- 途中で引き出すことができない
- 仮想通貨の価格変動によるリスクがある
- 貸出中に取引所が破綻する可能性がある
1 途中で引き出すことができない
仮想通貨レンディングは1ヶ月、3ヶ月、半年など一定期間仮想通貨取引所に貸し出すことで利息を受け取っています。
つまり、銀行の定期預金のようにレンディングの最中に引き出すことはできません。したがって生活資金などで突発的にお金が必要となった際にも、そのお金をあてにはできないのです。
「投資は生活に影響のない余裕資金の範囲内で無理なく取り組む」これを忘れずに挑戦しましょう。
2 仮想通貨の価格変動によるリスクがある
2点目のデメリットは先ほど紹介した「レンディングの期間の最中には資金を引き出すことができない」という点と深く関わってきます。
それは仮想通貨の価格変動によるリスクが存在するという点です。
例えばレンディングの最中に法規制や想定外の流出事故などによって仮想通貨の相場が大きく下落した際にも、資金を売却したり引き出すことはできません。
つまり、イーサリアムが1枚20万円のときに1ETHを年利3%で1年間貸し出したと仮定し、期間が終了するまでの1年間の間に相場が大きく下落、1枚あたり15万円になってしまった際、たしかに利息分として0.03ETHが付与されて返ってきます。
しかし、イーサリアム自体の価格が20万円から15万円へと下落しているので実質的には損してしまうこととなります。
もちろんイーサリアムの価格が1年後に20万円から30万円へと上昇していた際には10万円分の利益が出ますから一長一短といったところでしょうか。
ただ、今後仮想通貨の価格が上昇していくことを見込み長期投資を前提にした仮想通貨であれば、レンディングにまわしても大きな影響はないでしょう。
3 貸出中に取引所がが破綻するリスクがある
これまで紹介した2つのデメリットは「投資には生活資金を利用しない」「長期投資用の仮想通貨を利用する」など利用者個人で調整できるリスクでした。
しかし、利用者自身では避けられようのないリスクとして「取引所の破綻、そして預け入れていた資産が返却されない」リスクがあります。
もちろん実際に発生するリスクは極めて低いものの、2022年には海外大手仮想通貨取引所FTXが債務超過に陥り破綻。多くの利用者の資金はきちんと返済されるか不透明な状況となっています。
ただし、安心してください。過去の仮想通貨流出事故などを経て国内の仮想通貨取引所は金融庁の厳しい規制下にあります。したがって国内取引所は海外取引所と比較すると圧倒的に高い安全性を誇っており、取引所の破綻によって資産が返却されないなどのリスクは極めて低いです。
一応こういったリスクもあるよ、と頭の片隅に入れておく程度で問題ないでしょう。
仮想通貨レンディングで得られる利益のシュミレーション

レンディングのメリットやデメリット、リスクを理解して頂いたところで、実際にどのくらい利益が出るのでしょうか。
ここではレンディングを行うことでどの程度の利益がみこめるのかをシミュレーションしていきます!
▼ビットコインの場合
貸し出し枚数 | 年利 | 期間 | リターン |
---|---|---|---|
0.001BTC(約3,000円) | 1.0% | 30日間 | 0.00000074BTC(約22円) |
0.005BTC(約15,000円) | 3.0% | 90日間 | 0.000037BTC(約110円) |
0.03BTC(約9万円) | 5.0% | 1年間 | 0.0015(約4,500円) |
0.1BTC(約30万円) | 5.0% | 1年間 | 0.005BTC(約1.5万円) |
▼ポルカドットの場合
貸し出し枚数 | 年利 | 期間 | リターン |
---|---|---|---|
10DOT(約8000円) | 5.0% | 30日間 | 0.04DOT(約32円) |
50DOT(約4万円) | 5.0% | 90日間 | 0.6DOT(約480円) |
100DOT(約8万円) | 8.0% | 90日間 | 2DOT(約1,600円) |
500DOT(約40万円) | 8.0% | 1年間 | 40DOT(約3.2万円) |
受け取った利息分の仮想通貨はレンディングに回すだけでなく、すぐに売ることも可能です。保有している仮想通貨を貸し出すだけで数万円のお小遣いをゲットして、ちょっと高級なディナーにいったりお買い物したりするのも良いですね。
仮想通貨レンディングの始め方

ここまで紹介してきたように長期投資目的の方には魅力山盛りの仮想通貨レンディング。すでに仮想通貨の口座を開設している人なら貸出金額などを設定し、ボタンを押すだけですぐに始めることができます。
もちろん仮想通貨の口座を持っていない人であっても、以下の3ステップで手軽に始めることが可能ですよ。
- 仮想通貨のレンディングに対応している取引所の口座を開設する
- 貸し出す銘柄を選択する
- 貸出期間を決める
ここでは3つのステップを実際の取引所での画面など具体例を含めながらわかりやすく紹介していきます。
1 仮想通貨レンディングに対応している取引所の口座を開設する
まずは仮想通貨レンディングに対応している取引所の口座を開設する必要があります。
国内の取引所では以下の4つの仮想通貨取引所がレンディングのサービスを提供しています。
どの取引所も大きな違いはありませんが、先ほど挙げたように取り扱い銘柄数や金利などが少しずつ異なっています。自分が貸し出したい銘柄や金利の高さなどを中心に比較しどこに開設するか決めましょう。
もちろん口座を開設していること自体に手数料がかかってしまったりすることは一切ありませんので複数開いてみるのもアリですね。
さて、そんな仮想通貨の口座、どうやって開けば良いの?時間がかかりそうだし面倒くさそうだな。ちょっと構えてしまっていませんか?
実は口座開設に際して必要となるものはたったの2点
- メールアドレス
- 本人確認書類(マイナンバーカード・パスポート・運転免許証など)
最近では本人確認を郵送ではなくWeb上で完結させることが可能な取引所も増加しており、口座開設申し込みから即日で取引が可能なんてことも。
チャンスだと思った時にすぐ口座開設して投資をはじめて、すぐにレンディングにも挑戦できるのは大きなメリットですね。
とはいえ口座開設が殺到したり、不備があり口座開設がなかなか完了しないなんてことも考えられます。思い立ったが吉日、まだ口座を持っていない方はこの機会にチャレンジしてみませんか?
2 貸し出す銘柄を選択する
貸し出しサービスのページにアクセスするとこのようなページが表示されます。

貸し出し可能な通貨の一覧が表示され、どの通貨を貸し出すか選択することですぐに貸し出しを始めることが可能。
もちろん貸し出す銘柄を購入し自分の資産として保有している必要があるので、未だ仮想通貨を持っていないという方は取引所や販売所で入手してからレンディングに挑戦しましょう!
3 貸出期間を決める
貸し出す仮想通貨を決めたら、あとはどれくらいの間貸し出すのかさえ決め、ボタンを押してしまえば所有している仮想通貨が金利収入を産み始めます。
一般的に仮想通貨レンディングでは貸出期間が長くなればなるほど金利が高くなり、多くの収入を得られる仕組みとなっています。
例えば貸出期間が14日なら年率1%、90日なら年率3%などのように運用できるということですね。
長期投資として仮想通貨に投資をしているから近いうちは売る予定が無いよって方は、なるべく長い期間を選択した方がおトクというわけですね。
相場が急変した際など万が一の時に売却できるよう備えたいという方は、14日間などの短い期間で貸し出し、「返却時に再度貸し出しを行う」という設定にすると良いでしょう。
14日間という短期間の貸し出しを繰り返してくれるので、1年など長期間の貸し出しと比較すると金利は低いものの売買の自由度は向上するのでおすすめです。
それでは実際に取引所ごとの仮想通貨レンディングについて具体的に比較をしながら紹介をしていきます。
対象銘柄や貸し出し期間などから、ぜひ自分にあった取引所を見つけてみてくださいね。
仮想通貨のレンディングができるおすすめ仮想通貨取引所一覧

GMOコイン|貸暗号資産ベーシック

やはりGMOコインの仮想通貨レンディングの特徴は、取り扱い銘柄の多様さと高い利回りにあります。
取り扱っている全26銘柄の貸し出しに対応している上、貸暗号資産ベーシックでは最大10%という高金利での運用が可能です。
ほとんどの銘柄は1ヶ月コース、3ヶ月コースから貸し出し期間を選択することが可能で、金利はそれぞれ1%と3%での募集のようです。
米ドルに連動する「DAI」も取り扱っていますから、擬似的な外貨預金のようにも使える点は大きなメリットですね。
さらに、貸暗号資産プレミアムでは、円転特約という貸し出した暗号資産が返還時に日本円で受け取る可能性がある条件を付加されることで年率15%以上という高いリターンを期待できます。
欠点を一つ挙げるとするなら、あまりの人気ぶりに申し込みが殺到してしまい、全ての銘柄の貸し出しを行うことができない点。募集が開始されるとメールで通知が来るので忘れずチェックしましょう。
Coincheck|Coincheck貸暗号資産サービス

Coincheckの貸暗号資産サービスでは取り扱いのある19種類の銘柄全てを貸し出すことができます。
貸し出し期間が14日、30日、90日、180日、360日など多様に用意されている点が特徴。金利は14日の場合だと1%、30日の場合だと2%というように期間が伸びるほど1%ずつ加算されていく方式です。
GMOコインとは対照的に基本的には全ての銘柄を常に貸し出すことが可能。しかし、決して不人気だからという理由ではなく、売買だけでなく運用にも力を入れている企業の姿勢によるものが大きいでしょう。
ただし注意点として取引アカウントにログインしたままでは操作できません。一旦ホーム画面から「貸暗号資産アカウント」へとログインし直す必要があります。
一見面倒くさそうなこのシステムですが、長期投資のつもりだったのに激しい値動きにつられついつい売ったり買ったりしてしまうあなたにも安心です。
BITPOINT|貸して増やす

BITPOINTではjasmyやKlayなど特色ある銘柄を広く取り扱っています。
過去には「DEPコインの100日間貸し出しで年利30%」という他の取引所ではあり得ないような高水準の金利がついていたことも。
しかし、「貸して増やす」のサービスにおいては常に貸し出しの募集をしているというわけではなく不定期に募集が行われます。この際に期間や金利も発表されるので詳細が発表されてから、その条件は自分にマッチしているのかしっかりとチェックして応募したいですね。
また、レンディングと似たサービスでいつでも引き出すことが可能な「ステーキング」のサービスを提供している点も注目のポイントです。
bitbank|暗号資産を貸して増やす

bitbankのレンディングサービス「暗号資産を貸して増やす」では取り扱っている21銘柄全てを取引することが可能。
AstarやBoba、Avaxなど人気は高いもののあまり他の取引所で取り扱いのない銘柄の取り扱いがあり、貸し出すことができます。
特徴としては1年間という貸し出し期間の長さ。頻繁に口座の様子をチェックしたりするのが面倒だという方に向いています。
Astarは日本人が創業者ということもあり最近知名度をぐんぐん向上していますから注目ですね!
まとめ
今回は気になる仮想通貨レンディングについて特徴やリスク、そして取引所ごとの特徴などを解説してきました。
仮想通貨市場が落ち込み、値動きが芳しくない時こそ安定した収益の見込めるレンディングで収益を得るというのは1つの選択肢。
保有している仮想通貨を眠らせておくなんてもったいない。ぜひこの機会にレンディングによる金利収入をゲットしてみませんか?
仮想通貨レンディングのよくある質問
仮想通貨レンディングで得た利益に税金はかかりますか?
はい、受け取った金利収益については利益として申告する必要があります。
仮想通貨レンディングの資金は分別管理の対象ですか?
いいえ、通常取引所は顧客資産を取引所の資産とは分けて保管することが義務付けられています。このことを分別管理と言いますがレンディングの場合はその対象外となっています。
手数料などは必要ですか?
いいえ、仮想通貨レンディングでは手数料など一切なしに収益を得ることができます。

■ 齋藤 正勝(さいとう まさかつ)
- 株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 取締役副社長 兼 COO
- 株式会社ミンカブアセットパートナーズ(金融商品仲介業 登録申請中) 代表取締役社長
- 株式会社ミンカブ Web3ウォレット 取締役会長 兼 CEO
- 一般社団法人 新経済連盟 幹事
- 一般社団法人 日本デジタル空間経済連盟 理事
銀行代理業許可:関東財務局長(銀代)第8号の「カブドットコム証券株式会社(現・auカブコム証券株式会社)」の創業者で長く代表取締役社長を歴任。退職後は当社取締役副社長 兼 COOに就任。これまで培った金融関連事業に加え、メタバースやWEB3など新事業にも精力的に取り組む。また個人投資家としても市場に積極的に参加。著書は「本気論―フリーターから東証一部上場企業の社長になった男の成功法」「カブドットコム流 勝ち残り法則80ヵ条 (講談社+α文庫)」など。