FXの確定申告のやり方・必要書類の書き方は?気になるポイントを詳しく解説!

FXで利益が出た場合「確定申告」は必要なのだろうか」

「逆に利益が出ていない、損失がでている場合は不要?」

FX取引をしていくうえで一度は悩むことになるであろう「確定申告」

この記事では、できるかぎりスムーズに確定申告を終わらせられるように、確定申告が必要になる条件からやり方、書類の書き方までわかりやすく解説します

FXの確定申告とは

FXの確定申告とは

FXの確定申告は、いいかえると「FX取引で生じた損益を”確定”させて税務署に”申告”する」ことを意味します。

つまり、「これだけ利益が出たからいくら税金収めますね」と税務署に報告する行為ということです。

そして、FXの確定申告の対象になるのは以下2種類の利益

FXの確定申告の対象
  • 売買差益(為替差益)
  • スワップポイント(金利収入)
  • この二つの合算値がFXによる「収入」としてみなされます。ここでいう「売買差益」は、「確定させた利益」になるので、含み益・含み損は計算対象外です。

    FXに必要なものは経費として計上可能!

    課税対象となるのは「FXの収入(利益全額)」ではなく、利益から「必要経費」を差し引いた「所得額」が対象となります。

    課税対象額(所得)=「FXの収入 − 必要経費」

    主に必要経費として認められるものは以下の通り。案外「これも経費にはいるの?」と思うものもありますよね。

    ただ、経費として計上するには「領収書・レシート」が必要なので必ず補完しておきましょう

    必要経費として認められるもの
  • トレード用のパソコンやタブレットなどの電子機器購入
  • 書籍
  • セミナー代
  • プロバイダ代(通信費)
  • セミナーへの交通費
  • 筆記用具
  • 経費になるかどうか判断にまよった際はFX取引に関わっている」と合理的に説明できるかどうかで判断すればOKです。

    経費をしっかり計上することで手元に残るお金を最大化できるので、抜かりなく毎年行うようにしたいですね。

    FXの利益は「雑所得」として計算される

    つづいては、FXの利益はどの税制区分に入るのかを説明します。

    FXによる収入(売買差益 + スワップポイント)は、所得税のなかの「雑所得」扱いになり「申告分離課税」として給与などとは分けて課税がされます。

    FXの利益にかかる税率は以下の通りです。

    FXの利益にかかる税率
  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別住民税:0.315%(2037年まで)
  • 合計:20.315%
  • 税率は利益の大きさにかかわらず一定なので、30万円の利益でも、1億円の利益でも「20.315%」の課税がされます。

                                                                                 
    税率税金
    利益30万円(所得)20.315%69,450円
    利益1,000万円(所得)20.315%203万1,500円

    利益が大きくなるにつれて税率があがる累進課税ではないので、比較的税制面では優しく設定されているといえますね。

    確定申告が必要/不要になるのはどんなとき?

    確定申告が必要/不要になるのはどんなとき?

    FXの確定申告が必要になる場合、不要になる場合は以下の通り。

                                                                                                                     
    FXの確定申告が必要FXの確定申告が不要
    FXによる所得が20万円以上FXによる所得が20万円未満
    被扶養者でFX所得が38万円以上被扶養者でFX所得が38万円未満
    年間収入が2,000万円以上年金生活者
    給与を2ヶ所以上からもらっている

    FXの確定申告が不要なケース

    FXの確定申告が不要なケース
  • FXによる所得が「20万円未満」の場合
  • 扶養に入っていてFX所得が「38万円未満」の場合
  • 年金生活者
  • 上記いずれかに該当する場合には、FXの確定申告は不要になります。会社勤め(自営・フリーランスを含む)の場合は「20万円」、被扶養者の場合は「38万円」が確定申告が必要か否かのボーダーラインになります。

    また、年金受給者の場合は少し複雑で、一年あたりの年金収入が「400万円以下」かつ「FX所得が20万円以下」の場合に確定申告が不要になります。

    確定申告が不要な具体例

    会社員
    給与所得:500万円
    FXの収入(利益):30万円
    FXの経費:15万円
    FXの所得(課税対象):15万円
    確定申告→不要
    年金受給者
    年金受給額:年間300万円
    FXの収入:20万円
    FXの経費:2万円
    FXの所得(課税対象):18万円
    確定申告→不要

    FXの確定申告が必要なケース

    FXの確定申告が必要なケース
  • FXによる所得が「20万円以上」の場合
  • 扶養に入っていてFX所得が「38万円以上」の場合
  • 年間収入が2,000万円以上
  • 給与を2ヶ所以上からもらっている
  • 上記のいずれかに該当する場合は、FXの確定申告をする必要があります。

    以下2点は、シンプルなので問題ないと思います。

  • FXによる所得が「20万円以上」の場合
  • 扶養に入っていてFX所得が「38万円以上」の場合
  • 少々面倒なのが、その他の2条件。

  • 年間収入が2,000万円以上
  • 給与を2ヶ所以上からもらっている
  • 年間収入が2,000万円以上

    まず、「年間収入が2,000万円以上」の場合は、FX取引をしているからという理由ではなく、「年末調整の対象外になるから」という理由で確定申告が必要になります。

    ですから、FX取引による所得が1円でも10万円でも確定申告が必要ということになります。

    給与を2ヶ所以上からもらっている

    つづいて、給与を2ヶ所をもらっている場合も、条件付きで確定申告が必要になります。

    条件
  • 本業以外の給与とFX収入の合計が「20万円以上」の場合
  • 条件に沿った例
    ・会社員
    ・給与を2ヶ所から貰っており、本業以外の給与が10万円
    ・FX所得が10万円
    →確定申告が必要

    ここまで紹介した4条件のどれかに該当しているのにもかかわらず、確定申告を怠ると「脱税行為」として本来納めるべき税金よりも「多い金額」を納めなくてはいけなくなるので忘れずに行うようにしましょう。

    FXで損失がある場合は確定申告するのがおすすめ

    FXで損失がある場合は確定申告するのがおすすめ

    FXの確定申告が必要なケースと不要なケースを説明してきましたが、実は「不要な場合」でも確定申告をしたほうが「お得」になる場合もあります。

    それは、「FXで損失がでている場合」です。FXのトータル収支がマイナスになっている場合には、

  • 繰越控除
  • 損益通算
  • の二つの制度が利用可能です。

    繰越控除・損益通算とは?

    筆者
    含み損は損失として計上されません

    繰越控除は、確定させた損失を最大3年後まで繰り越すことができる制度のこと。

    繰越控除を使うことで、損失分を来年以降に持ち越して利益と相殺させることができます。

    そして、この損失と利益を相殺させることを「損益通算」といいます。

    繰越控除と損益通算の例

    繰越控除と損益通算の例

    (GMOクリック証券HPより引用)

    上記の例において、繰越控除と損益通算をしなかった場合の税金の違いは以下の通り。

                                                                         
    繰越控除・損益通算あり繰越控除・損益通算なし
    課税対象額:50万円課税対象額:150万円
    税額:10万1,575円税額:30万4,725円

    差額は「約20万円」にもなります。

    このシミュレーションからもわかる通り、FXで損失が出ている場合は、確定申告をしておくのがおすすめです。

    確定申告の添付書類は2種類

    確定申告の添付書類は2種類

    確定申告をする際には、必要書類の他に「添付書類」という補助書類が必要になります。

    ただ、この添付書類に関しては、自分で記入するのではなくFX会社や勤め先から受け取るだけのものになるので億劫になる必要はありません。

    筆者
    むしろ、後述する「必要書類」の記入をスムーズにする助っ人のような役割の書類です!

    年間取引報告書(FX会社からダウンロード)

    FX会社は親切なことに、1月中旬を目処にその年の取引によって生じた「損益」を報告書としてまとめてくれます。

    その報告書が「年間取引報告書」です。後述の「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を書くのに役立ちます。

    給与所得の源泉徴収票(給与所得がある場合)

    2つ目は、給与所得がある人にとってはお馴染みの源泉徴収票

    その年の、

  • 収入
  • 所得額
  • 控除額
  • などが記載された書類のことです。源泉徴収票は「申告書」を記入する際に活躍するので手元に必ず用意しておきましょう

    確定申告の必要書類は4種類

    確定申告の必要書類は4種類

    FXの確定申告をするためには、添付書類の他にメインとなる「4種類の必要書類」を記入・作成する必要があります。

    4種類の必要書類
  • 申告書B(第一表、第二表)
  • 申告書第三表(分離課税用)
  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
  • 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
  • 4つも書かないといけないの?

    と思うかもしれませんが、記入する内容は9割方「金額(数字)」なので、想像よりも手間はかかりません

    スムーズに書類記入ができるよう、ここではそれぞれの書類がどんな役割を担っているのか簡単に説明します。

    申告書B(第一表、第二表)

    申告書B(第一表)は、簡単にいえば「課税所得」の金額を確定させるための書類で、主に

  • 収入
  • 所得金額
  • 控除金額
  • の3項目を記入します。どの項目に関しても「源泉徴収票」に記載されているため基本的に転記するだけでOK。

    申告書B(第二表)は、収入や控除の詳しい内訳を記入するための書類と考えてもらえれば問題ありません。

    申告書第三表(分離課税用)

    FXによる所得などの「分離課税」の対象となる所得にかかる税金を確定させる書類が「申告書第三表(分離課税用)」です。

    書類上、FXは「先物」というくくりに入るので「先物」とついている項目に「所得金額」を記入していき、最後に20.315%の税率をかけて税額を確定させます。

    先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

    長々しい名前がついていますが、読んで字のごとく「FX取引による所得額」を確定させるための書類です。

    主な記入項目は、

  • 年間取引における収入(利益合計)
  • 必要経費の金額
  • の2点。こちらもFX会社から送られてくる「年間損益報告書」を元に記入すれば難しくありません。

    所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

    最後は、繰越控除を使うために必要な書類になります。「先物取引に係る繰越損失用」という名前からも用途がわかりますね。

    こちらは、「FX取引の所得額」、「今年の損失額」、繰り越している損失があれば「繰越損失額」などを記入します。

    FXの確定申告書類の作成方法・書き方

    FXの確定申告書類の作成方法・書き方

    FXの確定申告に必要な知識がそろったところで、実際に書類の書き方を覚えていきましょう。

    基本的に、源泉徴収票と年間取引報告書があれば穴埋めをするだけの作業なので気負いする必要はありません。

    必要書類の印刷は以下URLからできます。

    ▶︎不安な場合は、必要書類を印刷記入後に税務署でチェックをしてもらうのがおすすめ

    1.源泉徴収票と年間取引報告書を手元に用意

    スムーズに記入するため、手元に

  • 源泉徴収票
  • 年間取引報告書
  • の二つを用意しましょう。

    源泉徴収票の例 源泉徴収票の例

    往信SBIネット銀行より引用

    年間取引報告書の例みんなのFXより引用)

    年間取引報告書の例

    申告書B(第一表・第二表)を源泉徴収票を見ながら記入

    次は、申告書B(第一表・第二表)を記入していきます。

    申告書B(第一表)

    申告書B 第一表

    (出典:国税庁HP

    記入するのは以下の8項目。順番に源泉徴収票と照らし合わせながら記入していきましょう。

    記入する項目
  • 住所・氏名など
  • 収入金額等
  • 所得金額等
  • 所得から差し引かれる金額(所得控除額)
  • 税金の計算
  • (その他)
  • (延納の届出)
  • (還付される税金の受取場所)
  • ()で囲われている項目は必要な場合のみ記入することになるので、多くの人は6項目を埋めればOKです。

    申告書B(第二表)は、第一表で記入した金額の内訳を主に記入します。

  • 支払い者の会社名
  • 控除の内容や金額
  • などが主な記入項目です。

    申告書B(第二表)

    申告書B 第二表

    (出典:国税庁HP

    2.「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を「年間取引報告書」を参考に記入

    先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の記入例

    先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

    (出典:国税庁HP

    先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書は、FX会社から取り寄せ/ダウンロードした「年間取引報告書」をもとに記入していきます。

    FXの利益は「雑所得」として扱われるため、最初に用紙上部の「雑所得用」に丸をつけておきましょう。

    合わせて、「取引の内容の種類」には「外国為替取引「決済」には「仕切と書いておきます。

    その他の記入項目は、

  • 収入金額
  • 損失額
  • 損益合計金額
  • 必要経費
  • 所得金額(損益合計額-必要経費)
  • の5点。

    筆者
    ほとんど年間取引報告書の金額を転写するだけでOKですが、必要経費の記入を忘れないよう気をつけてください。

    3.申告書第三表(分離課税用)を先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書と必要経費を見ながら記入

    申告書第三表(分離課税用)

    申告書 分離課税用

    (出典:国税庁HP

    申告書第三票(分離課税用)は、先ほどの給与所得などで記入した「申告書B」のFX版です。

    主な記入項目は、

  • FX(先物取引)による所得金額
  • 総合課税(給与など)の合計金額
  • 税額
  • の3点で、ひとつ前に説明した「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の金額を転載します。

    筆者
    損失が出ておらず繰越もしない場合には、これで必要書類の用意は完了です!

    4.所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)に必要事項を記入(損失がある場合)

    取引の収支がマイナス繰越控除を利用する場合には、追加で「所得税の確定申告書付表」の作成が必要です。

    所得税の確定申告書付表

    所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

    (出典:国税庁HP

    すでに説明した「申告書」「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」があれば、書面の案内通りに記入するだけなので意外と簡単です。

    筆者
    損益通算と繰越控除はトレーダーとして活用したいポイントなので抜かりなく記入して提出しましょう!

    FXの確定申告の提出方法は3パターン

    3パターンの提出方法

    必要書類さえ用意できれば確定申告完了まであと一歩!最後に書類の提出方法を紹介しておわりたいと思います。

    確定申告の提出方法は以下の3パターンがあります。

    筆者
    FXの確定申告が初めての場合は、対面で記入漏れがないか確認できる「税務署へ持参・提出」がおすすめです。
    確定申告の提出方法
  • e-Taxの利用
  • 税務署へ持参・提出
  • 必要書類一式を郵
  • e-Tax(電子申請)の利用

    国税局の電子申請システム「e-Tax」を利用した申請です。

    Web上で申請できる手軽さはあるものの、以下の条件を満たしておく必要があります。

    「e-Tax」利用の申請条件
  • e-taxの利用申請(事前登録)が済んでいる
  • ICカードリーダーまたはマイナンバー読み取り機能搭載のスマートフォンがある
  • マイナンバーカードを取得済み
  • ※通知カードではNG

    上記の条件を満たしていない方は以下の2つから選択します。

    税務署へ持参・提出

    税務署で確定申告

    最寄りの税務署に申請書一式を持って行く方法です。スタンダードな方法ですが、記載内容・資料の不備を指摘してくれるため、私もそうしています。

    訪問する手間はかかりますが、初めての確定申告の方には色々教えてくれるのでオススメです。

    ただ地域によって違うものの、確定申告の期限が近づくと ”ものすごく混雑”しますので、日程に余裕をもって訪問してください。

    必要書類一式を郵送

    郵送で確定申告

    確定申告は郵送も可能です。訪問の手間が省けますので、慣れている方はこちらが良いかと思います

    ただし、一つでも書類に不備・不足があると送り返されます。 また、確定申告書は税務上の「信書」に当たるため、「郵便物」又は「信書便物」として送る必要があります。

    郵送する際に「確定申告書 (信書) を郵送したい」と郵便局に相談してください。

    まとめ

    FXの確定申告は面倒なイメージがありますが、いざ一つずつ記入してみると案外手間がかからないものです。

    むしろ、少ない手間で「損益通算」や「繰越控除」ができるようになるためメリットも多くあります

    FXの確定申告をする際は、この記事を参考にひとつずつ、丁寧に書類作成・提出をしてみてください。

    FXの確定申告に関わるQ&A

    FXの確定申告はいつまでに行えばいいですか?

    所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。

    2022年(2021年・令和3年分)の確定申告期間は、2022年(令和4年)2月16日(水)〜2022年(令和4年)3月15日(火)までです。

    FXの確定申告を忘れたらどうなりますか?

    そもそも確定申告が不要な方であれば、繰越控除と損益通算ができなくなるだけですみます。

    ただ、申告の必要があるにもかかわらず確定申告を忘れてしまうと「脱税行為」として、本来の税金以上の金額を納めることになるため、必ず申告期間中に済ませるようにしましょう。

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